『ためる』もの

 だれでも『ためる』ことをしている。お金や貴金属、映画や音楽といった、本人にとっては大事なものであるはずなのだが、ある程度の量を達成すると、違った意味を持ってくるものらしい。
 知識もまったく同じで、先生になったり、専門家になったりする。興味があるのは、マイナーなミュージシャンで、主に日本のjazzに関わっている人々だ。個人名は避けるが、儲けるわけでもない職業であるこの演奏家の集団は、実に魅力的だ。彼らがためたものは、個性であり生き方なのではないかと思っている。